生駒里奈ら『かがみの孤城』通し稽古での奮闘に、成井豊「とてもよい」

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生駒里奈さんが主演を務める『かがみの孤城』の通し稽古が、開幕初日を約10日後に控えたタイミングで報道陣に公開されました。げきぴあ編集部はこれまで、主人公・安西こころを演じる生駒さんにインタビュー。作品や役柄のイメージを膨らませる稽古前の心境に耳を傾けました。

【ぴあニュース】生駒里奈、役に自分重ね「いじめの経験あるからこそ発信したい」

作家の辻村深月さんが2017年に刊行し、翌年の本屋大賞を獲得した本作。同級生の悪意に傷つき、家に閉じこもる中学1年生のこころはある日、自室の鏡を通じて見知らぬ城がそびえ立つ異世界へ引き込まれてしまう。そこで出会った6人の仲間と望みが何でも叶う"願いの鍵"を見つけようと奔走するうちに、彼らは自分たちが城に集められた理由を目の当たりにして──。

脚本・演出は、同じく辻村さんの『スロウハイツの神様』(2017年初演)を舞台化した成井豊さん。キャストは他に溝口琢矢さん、野田裕貴さん(梅棒)、前田航基さん、原田樹里さん、河内美里さん、渡邊安理さん、多田直人さん、木村玲衣さん、石森美咲さん、稲田ひかるさん、澤田美紀さんが名を連ねています。

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稽古スタートから21日目を迎えたこの日、通し稽古が行われるのは2度目。前日の"初通し"を終えた仲村和生プロデューサーのツイートには「演出家からは1回目の通しとしてはとてもよい、と高評価」とあって、いやがおうにも期待が高まります!

新型コロナウイルス感染症の影響もあって、稽古場は常にソーシャルディスタンス仕様。キャストは全員、マスクの上から透明のマウスシールドを装着し、飛沫防止策を徹底していました。セリフをそらんじるキャスト、段取りを確認しあうスタッフの中で、生駒さんは通し稽古前のわずかな時間を使って黙々とダンスシーンの振付をさらうなど準備万端です!

通し稽古は、こころが"かがみの孤城"で過ごした記憶をたどるモノローグで開幕。同級生からの執拗ないじめを機に心身に不調をきたし、こころが部屋から出られなくなった瞬間、For Tracy Hyde「繋ぐ日の青」のイントロが流れ、オープニングのダンスシーンへ突入します。人がくぐり抜けられるサイズの大きな姿見を効果的に用い、こころと城で出会う6人が揃い踏みするステージング。これから始まる物語の世界観を伝える、印象的な幕開けでした。

生駒ソロ.jpg

インタビューで「いじめられた経験がある自分だからこそ、役に説得力が出る」「同じ悩みを抱えている全ての方に向けて発信したい」と述べていた生駒さん。周囲へ心を閉ざし、不登校になったこころの"戸惑い"を、マスクをしていてもわかる視線越しの繊細な表情で立ち上げます。孤城の仲間と出会い、母(渡邊安理)やフリースクールの喜多嶋先生(原田樹里)の理解を経て"成長"していく様子も必見です。

溝口ソロ.jpg

城に集められた他の中学生と境遇は異なるものの、「学校へ通いたかった」気持ちが人一倍強いリオン。演じる溝口さんは、通し稽古後に行われたダンスシーンの確認でリーダーシップを発揮していました。一緒に踊るキャストを代表して段取りを質問すると、振付を手がける川崎悦子さんから「呑み込みが早くて助かるわー!」の声が。潤滑油として稽古場に貢献する舞台裏を覗かせてくれました。

野田ソロ.jpg

野田さんは、公演パンフレットの座談会インタビューで見せたご自身の温厚な人柄を役に投影。東京に転校してから学校へ行けなくなってしまったものの、6人をなだめる大らかなスバルとして存在感を示していました。梅棒のメンバーだけあって、ダンスシーンをリードする姿にも注目です。

前田ソロ.jpg

前田さんは、ご本人いわく「優しい両親から甘やかされて育ったであろう」ウレシノ役。惚れっぽい性格で、孤城で出会う女性陣の中で恋愛対象をどんどん変えていく節操のなさをチャーミングに造形しました。中学生キャスト最年少だけあって、学ラン姿が誰よりも似合っていたことを伝えておきます(笑)。

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ウレシノから強すぎる気持ちをぶつけられ、困惑するフウカを演じる河内さん。母親の「娘をピアニストに」というプレッシャーに押しつぶされそうになる役どころです。メガネ姿でおとなしそうなフウカが、孤城の仲間に出会って自分らしく青春の日々を取り戻していく様子には心が温かくなりました。

稲田ソロ.jpg

稲田さんが扮するのは、家庭環境に問題を抱えるアキ。ご本人が「強がったり本心を隠したり、偽りの自分を演じているようにも見える」と分析するように、朗らかなキャラクターながらもアンバランスな一面を覗かせます。それが結実する回想シーンの激情は見どころ。感情を爆発させ、現実に立ち向かう姿には思わず手に汗を握ってしまいました。

それぞれ複雑な事情を抱えつつも、やっぱり学校へ行きたい──。7人の切実な思いが丁寧に描かれるからこそ、彼らが城へ集められ、出会った必然性が浮かび上がります。救いのラストに向けて加速する展開はもちろん、原作を尊重しながら舞台化する成井さんのクリエーションも健在。ところどころに挟まれるFor Tracy Hydeの涼しげな女性ボーカルも、登場人物の心象風景を効果的に彩っていました。

通し稽古の初期段階から高い完成度を見せ、関係者を魅了した『かがみの孤城』カンパニー。音楽・美術・照明・振付・衣裳といったスタッフワークも加わった本番では、どのようなステージを見せてくれるのでしょうか。開幕が非常に待ち遠しくなりました!

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公演は、8月28日(金)~9月6日(日)に東京・サンシャイン劇場にて。その後、18日(金)~20日(日)に大阪・サンケイホールブリーゼ、22日(火・祝)に愛知・刈谷市総合文化センター 大ホールと巡演する。

また本作はPIA LIVE STREAMを通じて、収録映像を後日視聴できる「ディレイ配信」と9月6日(日)に行われる東京千秋楽公演の「生配信」が実施されます。


ディレイ配信

[配信公演]2020829日(土)18:00開演回

[視聴期間]202091日(火) 19:3026:30

生配信

[配信公演]202096日(日)13:00 東京千秋楽公演

[視聴期間]202096日(日)13:0023:59

※いずれも開始30分前から配信ページに入場可能となります

2学期が憂鬱な学生さんをはじめ、コロナ禍や猛暑に疲れた大人の皆さんも、劇場での鑑賞と配信サービスで"クールダウン"してみては。

取材・文:岡山朋代

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NAPPOS PRODUCE 舞台「かがみの孤城」

2020828日(金)~96日(日)

東京・サンシャイン劇場

2020918日(金)~20日(日)

大阪・サンケイホールブリーゼ

2020922日(火・祝)

愛知・刈谷市総合文化センター 大ホール

[原作]辻村深月「かがみの孤城」(ポプラ社刊)

[脚本・演出]成井豊

[出演]生駒里奈、溝口琢矢、野田裕貴、前田航基、原田樹里、河内美里、渡邊安理、多田直人、木村玲衣、石森美咲、稲田ひかる、澤田美紀、山本沙羅

※出演予定でした木津つばささんは降板となり、代わりに山本沙羅さんが出演されます。詳しくは公式サイトをご確認ください。http://napposunited.com/kagaminokojo/

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