高世麻央のラストステージとなるOSK歌劇団『レビュー夏のおどり』記者懇親会レポート

全員OSK

OSK日本歌劇団は、7月5日から9日まで、新橋演舞場にて『レビュー夏のおどり』を上演する。第一部はOSKの和物レビュー『桜ごよみ 夢草紙』( 西川箕乃助 構成・演出・振付)。第二部は『One Step to Tomorrow!』(名倉加代子作・演出・振付)で、未来の希望を歌い踊るレビューを披露する。
 
松竹創業者・白井松次郎の発案により1922年に「松竹楽劇部」として大阪でスタートし、宝塚歌劇団、松竹歌劇団(SKD)とともに日本三大少女歌劇の一つとして、日本のレビュー文化を築いてきたOSK日本歌劇団。2003年に一時解散をするも2004年以降、毎年公演を重ね、今年で96周年を迎える。今回の公演は、OSKの貴公子として愛されてきたトップスター高世麻央のさよなら公演となる。

公演に先駆けて、6月18日、都内にて記者懇談会が行われた。
登壇したのは高世麻央、桐生麻耶、楊琳、真麻里都、舞美りら、白藤麗華、松竹株式会社安孫子正取締役副社長。それぞれが公演にかける思いを語った。

我孫子副社長
安孫子正副社長は「現在のメンバーでは、高世麻央さん、桐生麻耶さんが新生OSKのために苦しい危機に乗り越えてきました。今年で96周年を迎える歴史ある劇団ですが、レビューの文化は難しい時期に来ております。劇場で、はつらつとしたダンスのすばらしい舞台が構築されますので、ぜひ多くの方に観ていただきたい。高世さんの引退は残念ですが、高世さんご自身が選んだ道です。今回は高世さんを中心とした公演になります。ダンスのレビューの集団として、OSKの右に出るものはいないという評価をいただくぐらい、すばらしい力を持っている集団です。ぜひそのすばらしさを大勢の方に知っていただいて、レビューの面白さ、楽しさというものを知っていただけたら、こんなに嬉しいことはありません」とOSKへの思いの丈を述べた。

高世麻央
今回の公演がさよなら公演となる高世麻央は「96周年を迎えるOSKが歴史ある新橋演舞場の舞台に立たせていただけるということ、嬉しく思っております。2003年の劇団解散の危機のときにいたメンバーの一人です。そのときに松竹座で上演できたことが、夢のようなお話で信じられなかったことを、今でも鮮明に覚えております。それを着実に、次のチャンスに繋げたいと毎公演を臨んできました。これは当たり前のことではなくて、自分たちで署名活動を始めて、わたしたちの一生懸命な姿を後押しして、いつもそばで見守ってくださって、大きな愛で支えてくださる松竹のお力があったからこそ。松竹座での公演、新橋演舞場での公演、90周年の掉尾を飾った日生劇場の公演を実現することができました」と、これまでのOSKでの活動についてふり返った。
さらに7月の『レビュー夏のおどり』で退団することについては「OSKの歴史を紡ぎ、その一員として活躍できたことは、自分の人生の中でも誇りです。わたしはラストステージになりますけれども、OSKはいろいろな魅力をまだまだたくさん持っています。東京での公演も、少しずつ増やすことができるように、劇団員もがんばっております。もっと多くの方に観ていただいて、OSKに心を動かしていただき、応援していただけるファンの方をもっと拡大していきたいと思っています。4年後にはOSKは100年を迎えるという大きな目標があります。わたし自身も横浜生まれで関東の出身です。OSKは関西から発信していますが、関東出身者も多いので、未来のスターも関東から生まれたら」と後輩への期待を込めた。
 
桐生麻耶

桐生一人
高世とともにOSK解散危機を乗り越えた桐生麻耶は高世について「一期上の先輩で、高世さんの背中を見てきました。わたしは不真面目なところがありまして、高世さんの背中を見ては、高世さんみたいにしようといつも思っていました。わたしたちは、何をすべきか言葉にしなくてもお互いの思っていることがわかる、樹木希林さんと内田裕也さんのような関係です(笑)。高世さんが退団したら、そういう人と舞台を一緒に築けられないんだなと思いました。大好きだよ」とラブコールを送った。

楊琳
楊琳は「高世さんと楽屋でお話をすると、幸せで仕方がないという言葉が出てきます。センチメンタルよりも幸せな気持ちが勝つことが不思議でした。でも高世さんを観ていると幸せをかみしめて舞台に立っていて。幸せオーラでキラキラと輝いている理由がわかります。高世さんのラストステージでは、後ろから眺めつつ、横で支えつつ、自分の仕事を全うしたいと思います。みんなで力を合わせてラストステージを盛り上げていきたいと思います」と顔を輝かせた。高世から「たとえば洋舞のラテンナンバーだったら『誰よりも負けずに声を出して行くぞ!』という太陽のようなエネルギーを持っている子」と評されると驚いた顔をしながら「滅多に褒められないので、恥ずかしい」と首をすくめた。

高世&楊

真麻里都
解散危機の後に入団したという真麻里都は「96年も続いたのはすごいこと。これからの100年目のOSKに向けて励みたいです。『レビュー夏のおどり』を高世さんも含めて、このメンバーでやるのは最後です。かみしめながら、楽しみながら精進していきたい」。高世は真麻について「シャイだけど、踊りになると別人になれる人。秘めたものがまだあるはず」と言うと「緊張して手汗がすごいです。頑張ります」と決意を新たにした。

真麻&桐生&高世

舞美りら
今回、高世の相手役としても踊る舞美りらは「高世さんのラストステージと思うと、いろいろな思いが溢れてきます。『レビュー夏のおどり』に出演できないOSKの劇団員もいますので、そういうみんなと一緒に舞台に立っているつもりで臨みたい」と思いを馳せた。舞美について高世は「ここ最近、すごく成長しています。一生懸命さがあり、雰囲気も娘役らしいものを持っている。男役をも従えてしまう可憐さが、OSKの娘役の魅力。ぜひ極めてほしい」と力を込める。舞美は「高世さんは悩みがあると最後まで聞いてくれる優しい方。悩むくらいならやればいいのですね。今回は思い残すことなく最後までがんばりたい」と意気込んだ。
 
高世&楊&舞美
 
白藤麗華
OSK入団前からファンとして高世を客席から観ていたという白藤麗華は「高世さんへ感謝の気持ちを込めて、千穐楽まで頑張ります。ファンの時代が長かったので、同じ舞台に立っていることが不思議な感覚です。昔の公演についてもたくさんお話をしました。高世さんの思いを継いでいけるように頑張ります」と笑顔を見せた。高世は白藤について「彼女とOSKについて話し始めたら、びっくりするぐらい時間が過ぎる。OSKへの情熱は誰よりも負けないものがあるので、これからも劇団を引っ張ってくれたら」と思いを託す。

高世は、4年間トップだったことで得たことを問われると「わたしが下級生のときは、上の方とあまりお話ができる機会がありませんでした。トップになったときには、少しでも下級生と話す機会を持つようにして、それぞれのよさが舞台で出せるよう考えながらリーダーシップを取ってきました。OSKと出会い、諦めずに続けてきてよかったです。自分の人生にとってOSKは宝物です」。これからについては「OSKを愛し続けることには変わらない。みんなに伝えてきた思いが100年先、200年先も続くよう夢は大きく歴史を繋いでもらえたら。まずは『レビュー春のおどり』、そして100周年にむけて一人一人が何をやるべきか、考えながら『思い』を繋いでいってほしいです」と期待を込めた。
 
桐生&高世

〈公演情報〉
20180528_05

OSK日本歌劇団 新橋演舞場公演
『レビュー夏のおどり』
第1部 桜ごよみ 夢草紙
 構成・演出・振付◇ 西川箕乃助
第2部 One Step to Tomorrow!
 作・演出・振付◇名倉加代子
出演◇高世麻央 桐生麻耶 楊琳 真麻里都 舞美りら 白藤麗華 ほかOSK日本歌劇団 
●7/5~9◎新橋演舞場
〈料金〉S席(1・2階席) 9,500円 A席(3階席) 5,000円(全席指定・税込) 
〈お問い合わせ〉チケットホン松竹0570-000-489(10:00~18:00 年中無休・年末年始除く)
 https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/osk2018_enbujyo/
〈OSK公式サイト〉http://www.osk-revue.com
 

【取材・文・撮影/今村麻子】
 


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