新国立劇場オペラ、新年の幕開けはオペレッタ最高傑作の『こうもり』

こうもり寺司正彦

ワルツ王ヨハン・シュトラウスⅡ世によるオペレッタ最高傑作『こうもり』。
心躍る有名な序曲からシュトラウスの軽快で洒脱な音楽世界に満ちており、美しいワルツやポルカにのせて喜劇が繰り広げられる。アール・デコ調の華やかな美術・衣裳も大きな見どころ。シュトラウスの街ウィーンでは、年末年始の風物詩としてこのオペレッタが上演されている。 
 
今回の歌手陣はウィーンで活躍する芸達者ばかり。アイゼンシュタイン役は、新国立劇場でおなじみのアドリアン・エレート。前回公演に引き続き、コミカルな伊達男ぶりで観客を魅了する。ロザリンデ役は、ウィーン・フォルクス・オーパーの看板歌手エリーザベト・フレヒルが初登場。アデーレ役には前回公演でのコケティッシュな演唱が好評を博したジェニファー・オローリン、オルロフスキー役には2015年『ばらの騎士』のオクタヴィアンで颯爽と新国立劇場にデビューしたステファニー・アタナソフを迎えた。指揮はウィーン出身のベテラン、アルフレート・エシュヴェがつとめる。

【ものがたり】
第1幕/アイゼンシュタインは公務執行妨害で刑務所に入らねばならず苛立っているが、収監前の気晴らしにと友人ファルケからオルロフスキー公爵邸の夜会へ誘われる。小間使いアデーレも姉イーダから夜会に誘われ、「重病の叔母を見舞うため休みがほしい」とひと芝居打つ。アイゼンシュタインの妻ロザリンデは夫の不在を寂しがるが、その間に昔の恋人のテノール歌手アルフレードと情事を楽しもうと企む。みな表向き悲しみに暮れているが、本心はウキウキ。夫の外出後ロザリンデがさっそくアルフレードと楽しもうとすると刑務所長フランクが来て、人違いでアルフレードを収監してしまう。
第2幕/オルロフスキー公爵の夜会。アイゼンシュタインとフランクが鉢合わせし、お互いフランスの貴族だと自己紹介して、しどろもどろのフランス語で意気投合する。アデーレはロシアの女優になりすまして登場。仮面をつけたハンガリーの貴婦人がやってくるが、実はロザリンデ。正体に気づかないアイゼンシュタインは口説こうとするも、口説き道具の懐中時計を彼女に奪われてしまう。シャンパンで乾杯し、宴もたけなわ。朝6時になり、アイゼンシュタインとフランクは大慌てで館をあとにする。
第3幕/刑務所。夜会の余韻に浸るフランク。アイゼンシュタインが刑務所に行くと、フランクがいてびっくり。お互い正体を明かすが、すでに自分が収監されていると聞き驚くアイゼンシュタイン。そこにロザリンデがやってきた。アイゼンシュタインは妻の不貞を責めるが、彼女は例の懐中時計を差し出す。ここでファルケが、すべては自分が仕組んだ"こうもりの復讐"だったと種明かしし、にぎやかに大団円となる。

寺司正彦
 
2018年の幕開けは、小粋でエレガントなオペレッタ『こうもり』で、この上なく楽しいひとときを過ごしたい。
 
〈公演情報〉
新国立劇場 開場20周年記念 2017/2018シーズン
オペラ「こうもり」/ヨハン・シュトラウスⅡ世オペラ『セビリアの理髪師』 
全3幕〈ドイツ語上演/字幕付〉
指揮◇アルフレート・エシュヴェ
演出◇ハインツ・ツェドニク
美術・衣裳◇オラフ・ツォンベック
振付◇マリア・ルイーズ・ヤスカ
照明◇立田雄士
再演演出◇アンゲラ・シュヴァイガー
舞台監督◇髙橋尚史
合唱指揮◇三澤洋史
合唱◇新国立劇場合唱団
バレエ◇東京シティ・バレエ団
管弦楽◇東京交響楽団
キャスト◇
ガブリエル・フォン・アイゼンシュタイン/アドリアン・エレート
ロザリンデ/エリーザベト・フレヒル
フランク/ハンス・ペーター・カンマーラー
オルロフスキー公爵/ステファニー・アタナソフ
アルフレード/村上公太
ファルケ博士/クレメンス・ザンダー
アデーレ/ジェニファー・オローリン
ブリント博士/大久保光哉
フロッシュ/フランツ・スラーダ
イーダ/鵜木絵里
●1/18、21,24、27、28◎新国立劇場オペラパレス
〈料金〉 S席23,760円 A席19,440円 B席12,960円 C席7,560円 D席4,320円 Z席1,620円(全席指定・税込)
新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999(10~18時)




【写真提供/新国立劇場 撮影/寺司正彦】



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