【「人間風車」連載(5)】矢崎広×松田凌×良知真次『人間風車』座談会・その1「緊張感のある稽古場です」

チケット情報はこちら

9月28日(木)に東京芸術劇場プレイハウスにて開幕する、PARCO&CUBE 20th present『人間風車』

パルコ版として14年ぶりの上演となる本作は、演出を"残虐非道ソムリエ(※)"の河原雅彦さんが新たに手掛け、脚本を脚本の後藤ひろひとさんが今回の為に改稿し、今作に合わせて改稿され、2017年版の爆笑と恐怖を届ける作品として生まれ変わります。

※「残虐非道ソムリエ」については連載第1弾をご覧ください!

これまでげきぴあでは、出演者の成河さん、ミムラさん、加藤 諒さん、演出の河原雅彦による座談会(1)(2)(3)、そして稽古場レポート(4)を連載してきましたが、今回からは、矢崎 広さん×松田 凌さん×良知真次さんの座談会を2回に渡ってお届けします!

NL0_1772.jpg

(画像左から、松田さん、良知さん、矢崎さん)

★概要やあらすじは連載第1弾をご覧ください。

***********

【役柄紹介】

矢崎 広さん:小杉

TV局のディレクターで平川の大学時代の友人。アキラに好意を寄せ番組に起用しているが、振り向いてもらえない。私利私欲のためなら狡猾で手段を択ばない。

松田 凌さん:則明

公園で平川の話を聞く子供たちのリーダー的存在。にくらしさ満点だが、平川の話す童話にはいつも目を輝かす。

良知真次さん:国尾

平川の童話作家仲間で、数少ない大人の友達。平川と対照的に現実的な思考の持ち主で、"売れる童話"を書いている。

***********

 

 

■役者にとってしあわせな稽古場

NL0_1868.jpg

――稽古始まって10日ほどですが、まずは率直な感想を聞かせてください。

矢崎 緊張感のある稽古場です。それは河原さんの現場づくりでもあるのですが。役者がつくってきたものや準備してきたものをみせるときに、若手もベテランも同じ緊張感を持ってやっているような感じかなって思います。

――矢崎さんは『時計じかけのオレンジ』(2011年)や『黒いハンカチーフ』(2015年)で河原さんの現場は体験されていますが、毎回緊張感のある稽古場なのですか?

矢崎 そうですね。河原さんは割とそういう現場づくりをされることが多いと思います。

良知 僕は河原さんの演出を受けるのが初めてなんですけど、それに加えてストレートプレイに慣れてないというところもあって。

――良知さんはミュージカルで長く活躍してこられて、ストレートプレイの作品は『Take me out』(2016年)以来2作目ですよね。

良知 そうなんです。さらに国尾という役も、今までほとんどやったことのないような役柄で。だから今回は、僕が持ってる引き出しの中から考えるっていうよりも、河原さんに完全についていって、繊細な部分を学びながらやっていくような気持ちでやっています。

NL0_1881.jpg

――松田さんも、河原さんの演出は『黒いハンカチーフ』で受けていますが、この現場はいかがですか?

松田 楽しいです。おふたりもおっしゃっていたように、今までの自分の価値観とか引き出しになかったものをもらえるし、先輩方も素敵で、すごく高度なものに触れる稽古場だと感じてます。そういった中でご迷惑をいっぱいかけることは正直あるんですけど、役者にとってはすごく楽しい場所なんじゃないかなって思います。

矢崎 河原さんと一緒にできることもそうですし、こういう現場を踏める役者はすごくしあわせだなと思います。だからこの機会を楽しんでやらないとなって。本当に実際、楽しいんですよね。もちろん自分の力量が足りない部分も多々あるんですけど、それでもそれに応えたいとか、その課題に向き合う状況がとてもしあわせで楽しいので。(自分の芝居が)通ったときの「あ、これか!」感もすごくあって。なんかどんどん自分の引き出しが膨らんでいく感じがしています。「こんなところにもまだあったんだ」とか「こっちの方面にも、もっとあったんだ」とかどんどん自分を知る機会にもなっていて。それを引き出してくれる河原さんと出会えていることが、とてもしあわせだなって思いますね。

■よりエグく、救いのない2017年版

NL0_1847.jpg

――戯曲の感想も聞いてみたいのですが、いかがですか?

良知 個性的で、いろいろな側面を持っている戯曲だと思いました。すごくうまい具合に童話が入ってくるし。ほとんどのキャストが童話の登場人物も演じるのですが、その童話の役に僕が演じる国尾の要素がシンクロしてる部分もあったりして。「なるほどな」「こういうのもヒントにしていかないといけないんだな」とか思いつつ稽古しています。このつながりがわかると、もう少し役としてできる部分もあるんじゃないかな。でもまだ僕自身が全然そこまで追いついてないので、何とも言えないんですけどね。

松田 僕は中学生の頃から後藤さんの作品を観ていて。いつか後藤さん作品に携わりたいってことをすごく考えていたんですよ。だからまさかそれが本当に叶うとはっていう、そういう感慨がまずあるんですけど。やっぱり『人間風車』って戯曲の面白さがありますよね。これは後藤さんにしか生み出せない作品だなって思うんです。ファンタジーホラーの代表作だし、でもそうやって一言でまとめていいのかわからないくらい新しいジャンルになってると思うので。

――中学の頃から劇場で観られてたんですか?

松田 吉本新喜劇のうめだ花月で後藤さん演出の舞台があって。いろいろな作品を観てました。だからほんと、念願だったんですよ。

――素敵な邂逅ですね。ちなみに今回用に改稿された戯曲も楽しみな部分です。

矢崎 2000年版も、2003年版も素晴らしいと思うのですが、僕は今回の(改稿された)戯曲がすごく好きです。よりエグく、救いのないことになっていて。この2017年に『人間風車』をやるっていうことの意味でも、このラストはすごくいいなって思います。

――2017年にやる意味ってどういうところだと思われますか?

矢崎 世界情勢がおかしかったり、政治も目まぐるしく変わっていたり、マスコミとかもそうですけど、誰が本当のことを言っていて、誰が嘘を言っているのかわからない、一体誰を信じていいのかわからない、みたいなところが今はあって。そこにこの作品がまさにハマるというか。楽しく始まったものが、ある瞬間にグッと方向転換する感じ。善意と悪意の共存というか。そういう部分がこの時代に合っているし、何か感じてもらえるところなのかな、なんて思って今は臨んでいます......河原さんに違うって言われるかもしれない(笑)。けど、僕はそう思います。

☆続きます!

『人間風車』は、9月28日(木)から10月9日(月・祝)まで東京芸術劇場プレイハウスで上演。その後、大阪ほか各地で上演予定。

ningen_josen_(軽).jpg

チケット情報はこちら